八葉宝鐸型梵鐘
- よみ
- はちようほうたくがたぼんしょう
- 指定・種別
- 県指定・工芸
- 員数
- 1口
- 法量
- 高143cm 口径80cm 口縁厚8.8cm
- 材質
- 鋳銅製
- 時代
- 南北朝時代
- 所蔵
- 上町 実相寺
竜頭は双頭形で和鍾の形式であるが、鍾身は乳・撞座・袈裟襷がなく、口縁は八稜形である。鍾身は子持紐で上中下の三区に区切り、各々を三重の縦帯で四区に区画し、その中央に縦長の亀甲形を陽鋳している。これらは中国のいわゆる荷葉鍾に見られる要素で、本鐘は和漢混淆式鐘と呼ばれている。この鐘には二つの伝説がある。一つは貞和2年(1346)に同寺第三世仏海禅師の説法に感激した小間淵の龍神が千手観音図と釣鐘を寄進したというもの(『実相安国禅寺伝記』)で、もう一つは第二世応通禅師がある夜に「唐の経(径)山寺が火事だ。加勢して消せ」と弟子らに寺のあちこちに水をかけさせたところ、後日経(径)山寺からお礼の使者が来て、大塔の宝鐸の寄進を申し出た。はたして唐僧の帰ったあとに境内から宝鐸型の梵鐘が掘り出された、というもの(『三河堤』渡辺政香)。入宋、入元僧が住持を務めた中世の実相寺が、中国文化の影響を強く受けていたことを示す鐘である。
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