茶道のお話5

ページ番号1002616  更新日 2021年4月27日

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茶の湯の作法あれこれ「素朴な質問にお答えします」

茶室の四畳半はなぜ?

茶室の始まりとされる、足利義政造営の東山山荘(銀閣寺)の東求堂の書院、同仁斎の広さが四畳半であったこと。他に諸説もありますが、茶室が広まる基となった広さで、村田珠光、武野紹鴎、千利休ともに四畳半を基本にしたことが決定的にしたといわれています。大勢の客を対象とした会所や書院座敷の喫茶が、少人数で嗜む草庵の茶の湯に変化していく上で、相応した広さになっていったようですが、足利義政によって造営された東山山荘(銀閣寺)の東求堂の書院である同仁斎の広さが四畳半で、始まりではないかといわれています。維摩居士の方丈が四畳半に近い広さであったこと、村田珠光によって室町邸の殿中十八畳を四分して一つを囲ったことなど、諸説も伝えられていますが、茶室が発展していく上での基本となった広さで、村田珠光、武野紹鴎、千利休がともに四畳半を基本としたことが決定的にしたといわれています。

茶室の入り口の狭いのは?

茶室特有の小さな出入口は躙口(にじりぐち)といい、高さ二尺二寸余、横二尺一寸が標準。利休によって始められたといわれます。屋形船の出入り口がヒントとも伝えられていますが、客が部屋に入るときには、にじりながら入るという礼儀があり、また狭いところに入るのには身を小さくするのが自然であり、必然的に至ったようです。
身をかがめて入った部屋は広く感じられたり、床の間が目線と同じだったり、視覚的な効果もあってのことでしょう。

茶道が女性に普及したのは?

女性も茶道を嗜むようになったのは明治以降のことで、近代茶道の創始者といわれる裏千家十三世圓能斎宋室が女学校教育に茶道を取り入れたのが始まりとされます。さらに昭和になり女子教育が盛んになるとともに急激に普及しました。

懐石と会席の違いは?

江戸前期までは、茶の湯の料理を会席と記してあり、懐石の文字が初めて表れるのは「南方録」において。懐石は、修行中の禅僧が温石を懐に入れ空腹や寒さをしのいだということから、飢えが一時的にしのげる程度の軽い食事の意味です。現在は茶事に出される料理を懐石、宴席の料理を会席といっていますが、きちんとした区別はされていません。

薄茶と濃茶はどう違う?

抹茶は、玉露などの高級茶と同じく若芽や若葉の時期に直射日光を当てないよう覆いをかぶせて栽培したお茶の木の新芽を蒸して乾燥したものを茶臼でひいてつくられます。薄茶は比較的若い茶樹から、濃茶は樹齢70から80年以上の古い茶樹から摘んだものでという説もありますが、薄茶も濃茶も同じ製法からつくられ、全ての抹茶は薄茶として点てられることいができます。ただし濃茶は濃くどろりと練り上げる抹茶のため、苦味や渋味を強く感じさせない良質の抹茶を使用します。

お茶の前に出るお菓子は?

茶道で用いられるお菓子は、いわばお茶の引き立て役ともいわれるもので、一服のお茶をいかにおいしく味わっていただくかという重要で欠かせないものです。主菓子(おもがし)といわれる生菓子と、惣菓子(そうがし)といわれる干菓子があり、正式な茶事では主菓子は懐石の一番最後に口直しとして出され、後入りしてからの濃茶にそなえるもので、濃茶の後に出される薄茶では干菓子が用いられます。今日、一日に数十人、数百人を招く大寄せの茶会では薄茶にも生菓子が使用されます。

利休七則とは?

「利休七ヶ条」とも「茶湯七則」ともいい、利休が教示した茶湯の心得です。諸説伝わっていますが「茶は服のよきように点て」「炭は湯の沸くように置き」「花は野にあるように」「夏は涼しく、冬は暖かに」「刻限は早めに」「降らずとも傘の用意」「相客に心せよ」とあり、「とかく茶の湯は結構を好まず、きれいさびたる仕様よく候」と結んであります。

茶と禅の関係は?

現在一般的にいう茶道は、鎌倉時代に栄西がもたらした喫茶法を起源に、室町時代に村田珠光が禅の精神と喫茶の作法を統合して生み出したものです。それをさらに利休が、書院での茶の湯と草庵での茶の湯を一体化させ、禅院での茶の湯も取り入れて「道」としての茶道が確立されました。「茶禅一味」という言葉のように、人間形成においては茶と禅の精神性は一体の関係にあります。

一期一会とは?

茶会の心得をいうもので、茶書に著された最初のものは、利休の高弟山上宋二の「山上宋二記」で、常々の茶会でも一生に一度の会だと思って茶会に臨まなければならないと説いています。幕末の大老井伊直弼は茶人としても有名で、その著書「茶の湯一会集」の中で、一生のうち今の茶会は一度限りのものと覚悟して主客の交わりを結ばなければならないと述べています。一期一会、茶人にとっては第一の心構えです。現在は茶道の世界だけでなく、一般的にもよく使われ、一生に一度の出会いとか、一生に一度限りのことというような意味に使います。

和敬清寂とは?

茶の湯の精神を要約して利休が示した「利休四規」と称される言葉です。「茶の道四ツあり、能、和し能く敬し能く清く寂なり」、つまりお互いが心より和し敬い合い、清らかな気持ちで会し、寂然不動の心を持つことが茶道の根本精神であることを説いたものです。

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