祇園(天王)祭りの神輿と御旅所
- よみ
- ぎおんまつりのみこしとおたびしょ
- 指定・種別
- 市指定・有形民俗
- 員数
- 神輿:1基 御旅所:1棟
- 法量
- 神輿:方3尺(1.3m) 高約6尺(1.8m) 御旅所:桁行4間(7.28m) 梁間2間(3.64m)
- 材質
- 神輿 木造/御旅所 木造切妻造 組立式
- 時代
- 江戸時代 神輿:明和4年(1768) 御旅所:文政2年(1819)
- 所蔵
- 伊文町 伊文神社
西尾城下の夏の祭礼である祇園(天王)祭りは、天正年中の田中吉政以降、代々の城主の庇護のもとで次第に盛んとなった。現在のように城下の伊文神社から城内の御剱八幡宮へ神輿の渡御が行われるようになったのは、土井氏の城主時代(1731から1749)と推察される。寛政頃には八幡宮への神輿渡御は、「当社祭礼の根本にて御座候」とされた。
初日に伊文神社を出御して城下の町を練り歩いた神輿行列は、城下から三の丸へ通じる大手門の外に建てられた御旅所で夜を過ごし、二日目に城主名代の拝礼を受け、城内への練り込みと八幡宮参拝を行い、さらに城下を巡って伊文神社へ還御した。
神輿は、記録から明和4年(1768)5月、京都の神輿師桑島作右衛門の作で、同年の祭礼に用い始めたことが分かる。同時期に御旅所(指定のものとは別)と神楽殿も建造されたといい、同元年に大給松平氏が西尾へ入城したのを期に、これらを一新し、祭りがより盛大となったものと思われる。今回指定の御旅所は、文政2年(1819)に新調されたもので、棟木に墨書がある。
この神輿は現在まで祇園祭(西尾まつり)で使用され、御旅所も一時は使用しない時期があったが、地元の努力によって復元が行われ、2007年より中央通りに場所を移して設置された。祭りの中日(土曜日)の夜には提灯の柔らかな灯りの中で神楽が奉納され、幻想的な姿を見ることができる。
祇園祭の文化財
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