ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)から農作物を守りましょう
ジャンボタニシとは
外来種であるジャンボタニシ(和名:スクミリンゴガイ)は、食用目的で輸入されましたが、養殖業者等の廃棄等による放置によって、農業用水路や水田で野生化が進みました。水路の壁や水面より上の稲の茎などに濃いピンク色の卵を産み、繫殖します。成貝は、水温15~35℃にて摂食活動を行い、雑食性で特に柔らかい植物を好みます。14℃以下では活動を停止しますが、圃場や用排水路の土中で越冬します。西尾市でも田植え直後の稲が多く被害を受けているため、効果的な防除が必要です。卵、成貝ともに人体に有害な寄生虫がいる場合があるため、素手では触らないように注意しましょう。

防除方法
卵塊に対する防除
濃いピンク色の卵の場合は、水中では呼吸ができないため、水路の壁などから水中に削り落とすことが効果的です。ふ化直前の黒~白っぽい色の卵は、水中に落としてもふ化できるため、押し潰す必要があります。
成貝に対する防除
- 冬期の耕うん
貝を物理的に破壊するために、田面が面が硬い時期に耕うんするのが効果的です。トラクターの速度を遅く、ロータリーの回転を速くし、土壌を細かく砕くように耕うんします。極寒期(1~2月)に実施することで、土中にいる貝を掘り起こし、寒風にさらすことで防除効果を高められます。
- 秋期または春期の石灰窒素散布
殺貝効果のある石灰窒素を散布することで、貝密度を下げる効果があります。水温が17℃以上の時期に、3~4日間湛水を保った後、石灰窒素を散布してください。その後、3~4日湛水を保ち、貝を致死させます。石灰窒素には窒素成分が多く含まれており、元肥の量を減らすなどの調整や一週間前後の湛水が必須となります。また、春季散布の場合、稲に対する薬害を避けるため散布後7日間以上空けてから田植えを行ってください。防除時期によって、使用方法、使用量、回数等を遵守してください。
- 捕獲用トラップの設置
稲苗よりもメロン、スイカやレタスなどの野菜などに対して強い嗜好性を示すため、野菜トラップを設置して捕獲することが可能です。魚用の籠網型のトラップの中に野菜を入れ、捕獲用の穴を水面より下に設置します。
- 薬剤散布
移植前のジャンボタニシの被害が出る前に散布することが効果的です。メタアルデヒド粒剤や燐酸第二鉄粒剤などの使用が効果的ですが、散布後、3~4日は湛水状態にしておくこと、7日間は落水、かけ流しをしないことが必須となります。
- 中成苗の植え付け
ジャンボタニシが好まない、葉が硬く成長した中苗~成苗を植え付けることで食害されにくい効果があります。
- 水路からの侵入の防止
取水口や排水口にネットや金網を設置することで、侵入を防止することができます。大型の貝(1.5cm以上)を侵入させないために、網目は9mm目合い程度が推奨されます。採取された貝については、踏んで潰すなど、確実に処理しましょう。
- 浅水管理
水深が浅いと貝の摂食行動が抑制されるため効果的です。田植え後約3週間を水深4cm以下(理想は1cm)以下に維持しましょう。また、田面が凹凸なほ場では、深い所で貝が活動しやすく集中的に食害が生じます。冬期のレーザーレベラーの整地や田植え前の代かきを丁寧に行い、傾斜や凹凸をなくすことが重要です。
薬剤の施用
薬剤を施用した防除の際は、必ず登録薬剤を使用し、使用時期、使用方法、使用量、回数等を遵守してください。
防除後には
- 農業機械の洗浄
農業機械に付着した泥の中に、ジャンボタニシが含まれる場合があります。未発生の圃場に持ち込まないためにも、泥をしっかりと洗い落とすことも重要です。
- 捕獲・処理後のジャンボタニシの廃棄
一般的には、焼却又は埋却します。可燃ごみとして処分する際は十分に乾燥させてから袋に入れる、ビニール袋で二重に梱包するなどの処置をお願いいたします。
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