西尾市が抱える産廃処分場問題とは

 西尾市一色町生田地区には、産業廃棄物最終処分場(産廃処分場)の問題が2つあります。

・民間事業者が産廃処分場を設置し、廃棄物の埋め立てを行った後、排水処理などを行わずに「放置された産廃処分場の跡地」問題。

・放置された産廃処分場の跡地を取り囲む区域で、民間業者が計画している「新たな産廃処分場の建設」問題。

 いずれも、地域住民だけではなく、市全体で考えなくてはならない重要な問題です。

 

 「放置された産廃処分場の跡地」問題

 過去の経緯
  • 明治26年頃 竹生新田が埋め立て開発され、塩田、養魚、養鰻池として利用されていた
  • 昭和59年  民間事業者が愛知県への届出を経て、産廃処分場が設置される
  • 平成6年    県の許可を得て、第3工区が増設され、受け入れ品目も11品目に拡大された
  • 平成15年  事業者が排水処理施設の運転を停止し、以降、処分場を放置する。事業者は産廃処 分場の維持管理に問題があり、県から再三に渡り改善勧告などの行政指導を受けていた
  • 平成18年  施設設置の許可権限を有する県により、最終処分場の許可を取り消される。その後、産廃処分場は、場内に溜まる汚水の排水処理や十分な覆土が行われないまま、現在まで放置 また、処分場を運営していた事業者は、登記上、解散しています。

 

 施設の概要

事業主体

 有限会社三共資源工業(安城市) ※登記上解散

全体面積  約15ヘクタール
事業内容  産業廃棄物最終処分場
埋立容量  約67万4,000立方メートル
埋立品目

 第1、2工区:鉱さい

 第3工区:燃え殻、汚泥、廃プラスチック類(自動車破砕物を含む)、

紙くず、木くず、繊維くず、金属くず(自動車破砕物を含む)、ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くず(自動車破砕物を含む)、鉱さい、がれき類、ダスト類

施設構造  管理型

 産業廃棄物の最終処分場は、「安定型」、「管理型」、「遮断型」に分けられています。一色町生田地区の跡地は、「管理型」に分類され、保護シート(厚さ1.5mmのゴム製シート)により地盤と廃棄物が接触しないように隔離されています。また、汚水処理施設により、シート内に溜まった汚水を薬品や活性炭により処理した後に排水する構造になっています。

 

  汚水処理施設の概要

 産廃処分場の周辺に雨が降ると、雨水が埋め立てられた廃棄物を通り、遮水シート内に汚水が溜まります。 

 遮水シート内に溜まった汚水は、ポンプでくみ上げられ第1工区の南東に設置された汚水処理施設で薬品や活性炭により処理・浄化を行い第3工区に隣接する水路に排水され、三河湾に放流されます。

 産廃処分場全体が浄化される期間は、埋め立てられた廃棄物によって変わりますが、数年から数十年かかると言われています。その間は汚水処理施設を稼働させ続ける必要がありますが、この施設は平成15年頃から停止されており、放置された状態です。

 

  市の対応

 市では、平成26年に「一色地区産廃跡地問題地域会議」を設置し、跡地問題について検討をしてきました。

 ※一色地区産廃跡地問題地域会議については、こちら www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/6,56469,68,675,html 

 

  環境調査

 県と市では、周辺環境の監視をするために以下のような調査を行っています。

 ①周辺水路の水質調査(県、市)

 ②周辺水路の底質土壌調査(市)

 これまで、どの調査においても異常は確認されていません。

 

 「新たな産廃処分場の建設」問題

 市に提案された建設計画の概要

 平成25年7月に三重県の民間事業者から市に対して、新たな産廃処分場の建設計画の概要について、資料が提示されました。

 内容は、放置された産廃処分場の跡地(一色町生田竹生新田地内)を含む約53ヘクタールの土地で、新たな産業廃棄物最終処分場を建設する計画です。埋立容量は、約1,000万立方メートル(ナゴヤドーム約6個分)とされており、日本最大級の規模です。

事業主体  株式会社ケー・イー・シー(三重県桑名市)
計画面積  約53ヘクタール(跡地含む) 
事業内容  産業廃棄物最終処分場、中間処理施設
埋立容量  最大1,000万立方メートル
埋立品目  燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、ダスト類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類、鉱さい、第13号廃棄物、廃油 など

施設構造

 管理型
埋立期間  40年から50年
受入計画  年間30万トン(日平均1,250トン)

  

 産廃処分場建設による懸念事項

 計画地は、三河湾に面した液状化リスクが極めて高い場所で、一色中学校に隣接し、周辺では地域ブランド「一色産うなぎ」の養殖も盛んです。従って、南海トラフ地震による被害や特産品への風評被害、教育環境への影響が懸念されます。

 また、産廃銀座という言葉があるように、産廃処分場が、1か所許可されると周辺に乱立してしまう傾向にあります。市ではその点についても懸念しています。

 

 市の対応

 市では、環境影響評価や三河湾環境、地盤工学、経済学等を専門とする有識者7名を委員として、平成29年8月に「西尾市産廃処理施設建設計画影響調査研究会(影響調査研究会)」を設置し、各委員の専門的な見地から、一色町生田竹生新田地内において計画されている新たな産廃処分場の建設による周辺地域への影響を調査・研究し、計画地が産廃処分場建設地として適しているかどうかについて検討をしてきました。

 ※西尾市産廃処理施設建設計画影響調査研究会については、こちら www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/6,56469,68,675,html

 

 愛知県への要望

 市では、産業廃棄物処分場建設の許認可権を持つ愛知県知事に対して次のとおり要望を行っています。

  • 平成29年5月  産廃処分場の建設地に適さないとして、新たな産廃処分場の建設に許可を与えないことを求める要望書を提出

 要望書(平成29年5月10日).pdf [307KB pdfファイル] 

  • 平成30年5月  影響調査研究会からの結果報告を受けて、産廃処分場を許可しないことを求める要望書を提出

 要望書(平成30年5月29日).pdf [585KB pdfファイル] 

 地域会議提案書(要望書添付書類).pdf [831KB pdfファイル] 

 西尾市産業廃棄物処理施設の建設による周辺環境への影響に関する研究結果報告書(要望書添付書類).pdf [346KB pdfファイル] 

 

 ※産廃問題を詳しく知りたい方は、こちら www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/6,3174,68,675,html