□■企画展示室■□

     

  西尾市岩瀬文庫企画展

こんながあった!

〜岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展13

 

平成28年2月27日(土)〜5月8日(日)

西尾市岩瀬文庫・岩瀬文庫資料調査会

 

<はじめに>

 くずし字をスラスラ読めるようになって、江戸時代の古書や古文書を直接楽しみたい…そういう人たちが増えてきているようで、書店に行くと多彩な入門書が刊行されており、さまざまな古書や古文書を読む岩瀬文庫講座も毎回盛況です。同時代の論理だけで生き、同時代の書物だけを読んでいたのでは、気付きにくい智恵が多いので、読書の幅をそうやって広げることは、たいへんすばらしいことだと思います。岩瀬弥助翁は、後世の私たちに、読むべき材料を大量に集め残して下さいました。

 今回の「こんな本」展は、少し趣向を変えて、著書と、その著者の筆蹟を楽しむ特集を組みました。ある程度、人生の様相がわかっている古人の場合、「書は人なり」の名言を体感することが出来、著者との時代を超えた交流がより深まることでしょう。もっとも、岩瀬文庫には掛軸など、筆蹟資料は集書方針から外れており、あまりありません。そこで某先生の蔵品を借用しました。この展示を、くずし字修得のお稽古にもお使い下さい。

 平成28年3月塩村耕氏写真

                         悉皆調査責任者

                          名古屋大学文学研究科(日本文学)

                         塩村 耕(しおむら こう)

○岩瀬文庫書誌データベースは、岩瀬文庫ホームページより公開されています。検索を駆使して、さまざまな調べ物に御活用下さい。

 T〈特集〉著書と著者の書 

 書簡を中心に著者肉筆の筆蹟資料をあわせて掲げます。一つ一つの筆画をたどることで、著者自身の息吹を感ずることが出来るはずです。

 

[1]鷹羽雲淙と『蓑唱老稿初編

[2]雨森芳洲と『たはれ艸

[3]新井白石と『老談一言記

[4]室鳩巣と『補遺鳩巣先生文集後編鳩巣文集

[5]井原西鶴と『文反古

[6]藤貞幹と『升拓本

[7]石坂宗哲と『万宝魚図録

[8]塩田随斎と『随斎詩鈔

[9]高瀬梅盛と『〈俳諧類船集

[10]榊原篁洲と『篁洲印譜

[11]立羽不角と『宝永文正物語

[12]伊藤東涯と『紹述先生詩文集

[13]松平定信と『秋風

[14]百井塘雨と『笈埃随筆

[15]中村タ斎と『比売鑑

[16]藤井懶斎と『睡餘録

 
蓑唱老稿初編   万宝魚図録
 
篁洲印譜   文反古

 

 U 続出する珍奇本 

今年も悉皆調査中に続々と出現した珍奇本たちをご紹介しましょう。岩瀬文庫は珍本奇書の宝庫です。

※展示室には著者自筆の書簡等(個人蔵)を並べて展示しています。

 

[17]『西京記行』 隠居老人の「腹へらし」(食いしん坊)旅紀行。

[18]『墓跡考』明治27年に読売新聞紙上に連載された掃苔エッセイの切抜き帖。

※「掃苔」…そうたい。名家の墓碑を探訪し、伝記資料として碑文を収集し情報交換する趣味。明治大正期には盛んで、『掃苔』という専門雑誌まであった。

[19]『酌并記益丈抄』武家故実の大家で幕臣の伊勢貞丈による、宴席や贈答における武家礼法書。

[20]『四十六士論』儒学の立場より、赤穂四十六士を忠臣義臣に非ずとして批判した論書。

[21]『手明村願書』少年らによる放火一件書類。江戸時代の“お役所仕事”の恩情あるはからいが秀逸。

[22]『遠州磐田郡見附宿安間平次弥記』侵攻してきた武田家臣を追い返し徳川家康に賞賛された旧家の、由緒に関する資料。

[23]『霊会日鑑』名古屋城内にあった三之丸天王社の過去帳。明治の廃仏毀釈で失われた別当寺について知る貴重な資料。

[24]『北米前大統領克蘭度君日本江来遊ニ付静岡県人民三島於而饗応之節書類』明治12年、第18代米国大統領グラント(克蘭度)を饗応した際の記録。これが大統領経験者来日の初事例。

[25]『沖南倭正義』旧鹿児島藩士による琉球に関する覚書。琉球国が「本邦附属」たることが紛れのないようにすべきことを主張する。

[26]『蟻息』防災論書。さまざまな視点による懇切な論述で、現代の目から見ても妥当な見解が多い。

[27]『南画真趣田能村竹田の高弟・田能村直入による南画の画論書。近代に翻刻出版された本には欠如している部分を補う原資料。

 
西京記行   墓跡考
 
酌并記益丈抄   四十六士論
 
北米前大統領克蘭度君日本江来遊ニ付静岡県人民三島於而饗応之節書類   南画真趣

 

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□■展示解説■□
4月23日(土)
□■連続講座■□
第3回「猿は馬の守り神―厩猿(うまやさる)信仰の始まりを岩瀬文庫資料から読み解く
3月6日(日) 田島 公氏(東京大学史料編纂所教授)
□■特別講座■□
「今年度の調査からわかったこと Vol.13」 3月13日(日)
塩村 耕氏(名古屋大学大学院教授/岩瀬文庫資料調査会会長)
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